『ツナ、聞こえるか、ツナ!?』 通信機から聞こえてきた声にγの攻撃を避けながら答えた 「何かあったのか!?」 『匣の壊し方がわかった!雲の増殖の力を使って…』 その言葉に驚く。匣の解析は凄く難しくて、それこそ開発者にしかわからないとまで言われていたのだから。 それに解析が出来たということは、匣のこと、死ぬ気の炎のことを骸が話したといことだ。 クロームのために。 骸はルルーシュのことを酷く嫌っていたから、きっと凄く嫌だっただろう。 それでもちゃんと協力して、2人で打開策を打ち出してくれた。 『…しなさい!』 ルルーシュの声が遠のいて、今度は骸の声が聞こえる 「骸、匣を壊す」 『わかりました』 「ルルーシュの話だと雲の属性が鍵になる。ヒバリには俺が話すから、お前はサポートと匣が壊れた後のクロームの保護を頼む」 『言われなくてもそのつもりです』 「クロームだけじゃない。ルルーシュのことも頼む。」 『…』 「骸」 『…気が向いたらですよ』 それだけ言うと、骸は通信機を宙に投げた 誰かがそれを受け取る もちろん俺は、それが誰かわかっていた 「ヒバリ、ルルーシュに従って欲しい』 『嫌だよ』 「ヒバリ」 『絶対に嫌だから』 通信機越しに、金属のぶつかる音がする 「クロームを助けるためだ。協力して欲しい」 電撃を避けながら言う 『へぇ…いいよ。今回だけ従ってあげる。助けた後は自由にしていいんでしょ?』 「ああ。だがルルー…』 ルルーシュのことを頼もうとするも、ヒバリは既に通信機を破壊していた 「……」 「あの匣を壊す気か?無駄な足掻きだ」 「そんなこと、やってみなければわからないだろ」 「わかるさ。10代目ファミリーはここで消える」 「俺はルルーシュの知力も、骸とヒバリの戦闘能力の高さも知ってる。だから消えない。負けたりしない」 「…だったらやってみるんだな。ショットプラズマ!!」 四方から電撃を纏った球が向かってくる 零地点突破初代エディション!! 「死ぬ気の炎を凍らせたか…なら、こいつならどうだ?」 γが別な匣を開匣すると、電狐が黒く姿を変えた 「!?」 「召されな!」 「ぐっ…!」 獄寺が好みそうなデザインの匣兵器。 さっきまでとはスピードも威力も比べ物にならない 「死にな、ボンゴレ。あの方の為に」 あの方…。 「白蘭…」 「…」 「びゃく…らんの…敵討ちか?」 てっきりそうだと思ったのに、帰ってきたのは肯定ではなく否定だった 「生憎俺は白蘭が大嫌いでね、あいつを倒してくれたことには感謝してる」 「なら…何故…」 「我が主の為に」 「あるじ…」 「そうだ」 「誰かのために…戦うのか」 大切な者を失わないために…誰かのために。 もうニ度と、誰1人失わないように。 そうだ、俺は… 「もう…誰1人奪わせないと決めた」 「…何だ、この炎の輝きはっ!」 「だからγ、お前を倒す!」 「そう簡単にやられるわけにはいかない。これでも俺は、ブラックスペル第1部隊隊長なんでな!!」 黒狐が向かってくる 両手を広げ、構えた 「死ね、ボンゴレ10代目!!」 「X−BURNER!!」 まだ完全形ではないため、身体が後ろへ飛ばされる それでも剛の炎が黒狐を退け、γを貫いた 「ばかな…ユニ…姫…」 γが倒れる 「…ユニ姫…」 彼の大切な人の名を、かみ締めるように呟いた STAGE 18 決着 「ルルさん大丈夫ですか?怪我してませんか!?」 「俺は平気だ。ツナも無事だったんだな」 急いで元の場所へ戻ると、ルルさんがクロームを介抱していた。 クロームは気を失っているが、命に別状は無いそうだ。 「よかった…。あの、骸とヒバリさんは何してるんですか?」 「雲雀恭弥が、ツナが帰ってくるまで暇だから、戦えと…」 「骸に言ったんですね…」 「あぁ」 「はぁ…」 「ツナも大変だな」 ルルさんに同情の眼差しで見られる。 本当に、骸とヒバリさんは何とかならないのかな…。 何で敵地で味方同士が本気で戦ってるんだよ。 「骸、ヒバリさん、そこまで!」 「邪魔する気かい、沢田綱よ…」 「ボンゴレ!!」 2人の間に入って戦いを止める ヒバリさんが文句を言うより早く、骸が抱きついてきたのでそれを避ける 「骸…」 「あぁ、無事で何よりです。君が…」 「何?」 「…いえ。会えない時間、君を想って狂いそうでした。僕は常に君と共にありたいです。ですが、それは無理なこと。ですから、僕の心は永遠に君と共に…」 「六道は君の喘ぎ声が聞きたかったらしいよ」 ありえないことを言われて思考が止まった 「はあ!?」 「雲雀恭弥!!」 「本当の事だよ」 骸の動揺っぷりに、どうやら本当なのだと理解する 「む〜く〜ろ〜」 「…」 「何でお前はいつもそんな事ばっかり言うんだよ!!」 「痛い、痛いです!!」 「うるさい!!」 「これは好きな子ほど虐めてしまうというアレですか?なら、僕はしっかりと君の愛の形を受け入れますよ。さぁ、僕をもっと殴ってください!!」 「ヒバリさん」 俺が言うのと同時に、ヒバリさんのトンファーが骸を直撃する 「ぐはっ…!…雲雀恭弥!何するんですか!?君に殴られても愛なんて感じられません!!」 「当たり前だよ。そんなもの無いから」 「なら何故…」 「沢田綱吉の命令だから」 「命令でしたか!?いつもは文句ばかり言うくせに!!」 「骸は武器禁止」 「ちょっ…ボンゴレ!?流石に雲雀恭弥相手に武器無しは…」 「禁止」 「うっ…」 「じゃぁ、行くよ」 「ちょっと待ってくださ…ああぁぁぁっ」 悲痛な叫び声と共に骸が倒れた 「もうこのパイナップルと一緒の任務は受けないから。気持ち悪い」 「そう言わずに…いざという時は協力して欲しいな〜なんて…」 「うるさいよ」 そう言いながらヒバリさんはトンファーをちらつかせる。 これって前にもあったよ!! 「ひぃ!でも今日本にいるのは俺達6人だけでして!!」 「僕1人で充ぶ…」 ヒバリさんが言いかけた時、大きな爆発音が洞窟内に響いた。 「何だ!?」 「これは一体…」 「…誰?」 ヒバリさんが俺の戦っていた扉の方を見つめる そこには、γが立っていた 「君、生かしたの?」 ヒバリさんの視線が痛い。 「γは大切な人のために戦ってたんです。それに、俺は殺したい訳じゃない」 「甘いね」 「…」 「それで復讐されるって考えないの?」 「…」 「雲雀恭弥、ツナは悪くないだろ」 「君は関係無いでしょ。僕は沢田綱吉に言ってるんだよ」 「それでもっ…」 「ルルさん、いいんです」 「ツナ…」 続けて2回爆発が起きて、足元が揺れる。 「うっ…」 「クローム!」 揺れの衝撃で、クロームが意識を取り戻した 「大丈夫!?」 「ボ…ス…?」 「うん!もう大丈夫だから、敵はもう倒したよ!」 「まだいるけどね」 「っ…」 ヒバリさんの言ってることは、もっともだ 「ナナリー…は…」 「学園にいる。お前が護ってくれたんだろ」 「ルルー…シュ…?」 クロームが驚いたようにルルさんを見つめる この場所にいるのが信じられないようだ 「マズイですよ」 いつのまにか復活した骸の声で現実に引き戻される 「確かにそうだな」 「徐々に崩れてきてますからね」 「えっ!?」 「なっ!?」 「おやおや、2人共気付いてなかったんですか?」 気づかなかった。言われてみれば、この爆発と揺れで崩れない方がおかしい 「本当なのか?」 「えぇ」 「マズいな…」 「早く逃げ…」 「!ツナっ!!」 「!?」 ルルさんの言葉で岩が落ちてくるのに気付いた。 逃げなきゃと思うのに、足が動かない。 落ちてくる岩を見つめていると、目の前が黒で覆われた 轟音と共に石が降ってくる。 「大丈夫ですか?」 「うん…ありがと」 「いえ」 落ちてくる岩からも、砕かれた岩の破片からも骸は俺を護ってくれた。 洞窟は嫌な音をたてていて、あちこち崩れかかってる。 「出るよ」 「そうですね。もう時間は無さそうだ。」 「むく…さま…」 「クローム…まだ1人では動けませんね」 「だいじょ…です」 クロームは大丈夫なんて様子じゃない。 「俺が肩を貸そう」 「ルルーシュ・ランペルージ?」 「お前はナナリーを護ってくれたからな。つかまれ」 「…」 クロームが骸を見る。 まるで許可を求めるように。 骸は小さく頷き、それを見たクロームが嬉しそうにルルさんの手を取った。 「行きましょう」 「ボンゴレ」 走り出した瞬間、俺達のものじゃない声が響いた その声は静かで、だけどかき消されること無く耳に届く γの方を振り返る。 見えたのはγと…γが手にしている何か。 彼は声を出さずに、口だけを動かした 「…リュウタイサクラダイト」 俺が繰り返すとγは笑い、手に持った何か…起爆装置を押した。 クロームが捕まっていた匣が爆発し、それに続くように俺達のいる場所が崩れていく。 「ツナ!」 「ボンゴレ!」 走り出した俺達に振り返る余裕は無かった。 |