ピッ――ピッ―― 「ん…っ」 まぶしい… ピッ――ピッ―― 何の音だろう ピッ――ピッ―― 瞳が重くて 体中がすごくだるくて ピッ――ピッ―― あれ…俺、どうしたんだっけ…? ピッ――ピッ―― 見慣れない白い天井と、なにか薬品の様なにおい 「目が覚めたか」 ぼやけている視界の片隅に、なにか黒いものが映った 「………リボーン…?」 リボーンの声だ。 なんでだろう。酷く懐かしい感じがして、声のしたほうに顔を向ける 「…っ!!」 身体中に痛みが走ってそれ以上動かすことができなかった STAGE 24 笹川 「1ヶ月も眠ったままだったんだ。さすがに死んだかと思ったぞ」 「1ヶ月…?そんなに俺…どうし………!!」 『ツナくん!』 『大丈夫…?ツナくん…』 『お兄ちゃんを…助けて…ツナくん…』 突然、頭の中がクリアになった。あのときの光景が、瞳の裏に映し出されるような、感覚。 「京子ちゃん!!」 ベットから飛び起きる 「…!ッ!!」 全身が悲鳴を上げて、もう一度ベットに倒れこんだ 「…無茶するな。絶対安静の状態なんだぞ」 「リボーン!京子ちゃんは!?京子ちゃんはどうなったんだよ!!」 「……わかってるだろ?京子は、死んだんだ」 シンダンダ 「う、そ…だよな?リボーン。なあ、ホントはいるんだろ?そういえばここどこなんだよ。もしかして隣の部屋とかに、京子ちゃんが…」 手が、言葉が、意思に反して震え出す 「…お前が、京子の最期を見たんだろ?」 「そんな…だって…だって…!」 京子ちゃんの姿が浮かぶ 天使の様な、すっごく可愛い笑顔 照れたように、はにかむ姿 そして…紅くそまった、傷だらけの姿 「なんで助けたんだよ!!」 「京子ちゃんがいないなら、生きてたってしょうがないのに!!なんであのままほっといてくれなかったんだ!!」 そうすれば、京子ちゃんと一緒に死ねたのに あのまま2人で死ぬのなら、それでいいと思ったのに 「お前を助けたのは俺じゃねえ。」 「…だったら、誰だって言うんだよ」 リボーンは帽子を深く被りなおすと、はっきりとした口調で言った 「笹川がお前をたすけたんだ」 笹川…? それは誰のことを言ってるんだ いつも京子、了平と名前で呼んでいたリボーンが 「京子がお前を庇ったんだろ。 そしてお前は、まだ生きてるかもしれない京子を庇った。」 …京子ちゃんが、俺を庇った 俺が強かったら、京子ちゃんはそんなことする必要なかったのに 「お前達が倒れた後、了平がお前達を助けに激戦区に足を踏み入れたんだ。自分も重症だったにもかかわらずな。 そこで京子の遺体とそれを庇うように倒れこんでいるお前を発見した。 …京子はもう息が無かったが、お前は瀕死の重傷でもまだ生きてたからな、了平が背負ってブリタニアの攻撃圏からなんとか脱出したんだ。 遅くなったが、そのときボンゴレの救出部隊が到着したから、了平とお前はそこで治療を受けた。 日本ではもう治療がおこなえる病院が残ってなかったから、そのままイタリアに運んだんだ。」 お兄さんが、俺を、助けた…? 『お兄ちゃんを…助けて…ツナくん…』 助けるはずが、助けられてばっかりだ 「死にたかったって言うのはお前を庇った京子と助けた了平に対する侮辱だぞ」 リボーンの言葉が、突き刺さる だけど、 「お、れは…」 それでも、俺は 「きょうこちゃんのいない、せかいなんて」 憧れだった 京子ちゃんだけが、俺の存在理由だった 友達もいなくて 誰にも相手にされなくて それでも俺が学校に通い続けたのは京子ちゃんがいたからで なのに、 もう、 いない 「俺の せいで」 「…シャマルを呼んでくる。とにかく、医者にみせる必要があるからな」 リボーンは呆れたのか、見損なったのか、見限ったのか とにかく何もいわずに、ドアの方へ向かっていく 「…容態が落ち着いたら、了平と話をしろ」 心臓が、嫌な音を立てた 「あいつは、すげえ心配してんだ」 「でも!俺はお兄さんに合わせる顔なんて…!!」 扉が閉まる リボーンの姿は向こう側へと消えていた 「…っ…どうして…」 (世界はこんなにも残酷で) |