TURN17「君は奇跡を起こす男、ゼロなんだろう!」 ぐらりとツナの体が揺らぐ 「ツナ!!」 ごく自然に受け止めた六道の右目には炎が宿っていて、それが六道輪廻の仕業だと告げていた 「ぁっ…やっ…!!」 ぐらぐらと目の焦点が合っていないツナは苦しそうな声を上げて頭を抱える 「六道!!ツナを離せ!!」 「自分で助けたらどうですか?君は奇跡を起こす男、ゼロなのでしょう?」 「…っうわぁぁぁ!!」 六道が挑発的に言い放ったと同時にツナが苦しみを増す 「何をしている!?」 「君にご自分の立場を分からせてあげようと思いまして」 「なら俺に直接攻撃すればいいだろう!何故ツナを狙う!!お前はツナが好きなんだろう!?」 「っ!あぁぁぁ!!」 ツナが悲鳴を上げる。瞳からは涙が溢れていて、どんなに辛い状態か聞かなくても明らかだった 「六道!!」 「好きだからですよ…」 六道は三叉槍を取り出すと、ピタッとツナの喉に宛がった 「僕はこんなにボンゴレを愛してるのに、ボンゴレは僕を愛してない。だから、君の目の前で君を好きなボンゴレを壊すんです」 六道は酷く歪んだ笑みを浮かべると、クハハハハ!!と声を上げて笑う 「そうすれば僕のものになる。これは儀式なんです。ボンゴレが僕のものになる為の。」 「…狂ってる!」 「そうかもしれませんね。ああ、近づかないほうがいいですよ。壊れる前に殺してしまうかもしれないので」 ツナの首筋から血が流れる 三叉槍を伝って手に届いたそれを、六道は愛しそうに舐め取った 「死なせたくなければ、そこでじっとみてなさい。」 彼が僕のものになるのを TURN19「僕は元から壊れているからね」 「ロロ!ロロ!!」 苦しくて、苦しくて 聞こえるはずの心臓の音が聞こえなくて ああ、僕は死ぬんだなと思った 「ロロ!しっかりして!!ロロ!!」 涙いっぱいで抱き起こす綱吉の顔が霞んで見えなくなったから、不安になって手を伸ばすと暖かいそれが包み込む これが全てを包容する大空かと思うとなんだか嬉しくて、僕は場違いにも笑みが溢れた 「綱吉…兄さんを助け…」 「嫌だ!ロロも一緒だ!!俺とロロと咲世子さんとジェレミアさんと、みんなでルルさんを助けるんだ!!」 ぽたぽたと落ちる涙が頬に当たる 「僕は失敗作なんだよ…」 僕は元から壊れてるから だから、泣くことなんてないのに 「なに言ってんだよ!!」 「ねえ…綱吉…綱吉にとって…僕って…なんだったのかな…」 兄さんは僕を兄弟だって 偽りの日常でも、僕と過ごした日々は本物だって言ってくれたけど 「友達に決まってるだろ!過去形にするなんて許さないから!!」 「そっ…か…」 「ロロ!?っ!?嫌だ!!ロロ!!ロロッ!!」 兄さんだけじゃ無かったんだ あの偽りの日常を、本物だと言ってくれるのは ねえ、綱吉 僕はこの1年が、生きてきたなかで1番楽しくて、1番幸せだったんだ たとえそれが嘘で塗り固められた世界でも 僕にとっては、それだけが真実で 「…綱…吉…」 声が掠れる 瞳が重くて、ゆっくりと閉じていく 僕も、綱吉のこと友達だって思っていいのかな 本当の気持ちは、違うんだけど 「ロロ!?ロロッ!!嫌だ!!ロロッ!!ロロッ!!」 最後に好きだって伝えたかった 好きだから、兄さんと幸せになってほしいって だけど、最期に聞くのが綱吉の声だった、たたそれだけでいいやと思った 大好きな君の腕のなかで眠る幸せ 「ロロ!!っ…うわぁぁぁ!!」 (それによって君がどんなに傷つくかなんて、考えもしないんだ) |