暗い。
暗い。
暗い。
光が見えない。
何も見えない。
常にあった光が突然消えた。
音も、光も、全てが存在しないこの世界で、唯一無二だった光。
それが消えたから、この世界はまた深い闇に包まれた。








STAGE 37  V.V.








優しい世界になってほしいと彼は言った
だからずっと、優しい世界を作ってきた。
彼にとっての優しい世界。誰も死なない、かりそめの平和。
その世界は、僕にとってはけして優しくなんかなかったけれど。
いつか彼女を忘れて彼が振り向いてくれたら。そんな世界が僕にも来るのだと思っていた。


だけど、優しい世界なんて来なかった。

いつも失ってばかりだ。


朝も、夜も、焦がれたものは…消えた。


ボクガ―コ ロ シ タ


ケンモ チクサモ クロームモ






カレノコトモ








「ぐっ…」



「目が覚めた?」


何だ…?



「初めまして。僕の名前はV.V.」




何もない、神殿のような場所に





小さな子どもと僕だけが、いた。






「災難だったね。C.C.と出会ったばっかりに」





C.C.―?






「君は違法契約者だから、精神がCの世界に飲み込まれるところだったんだよ。契約もしてないのにギアスが使えるなんて驚いたけど、副作用がひどいみたいだね。」



なんの感情のこもっていない言葉が耳につく




「感謝してほしいよ。僕がいなかったら君の精神は汚染されて、2度と元には戻れなかったんだから」






「…君は?」




「さっきも言ったはずだよ。僕の名前はV.V.。ルルーシュの敵だよ。」




胸が嫌な音を立てる。この世で最も憎い名前




ルルーシュ・ランペルージ



「ッ―――!!」



フラッシュバックする


ルルーシュランペルージと彼が話している姿が。
抱き合い、キスをして。思い出したくもない忌まわしい記憶が頭を支配する



あの男さえ




あの男さえいなければ…!!




「君もルルーシュが憎いんだろう?だから協力しようよ。ルルーシュを殺してほしいんだ。」




にっこりと目の前の少年がほほ笑む。




「どうして僕が…?自分ですればいいでしょう」



「別にいいでしょ?それより、やるかやらないか。聞きたいのはそれだけだよ」




「そんなもの…」






「…ゴハッ」
「僕の勝手だ」







V.V.と名乗った少年を三叉槍で切りつける







「君はギアス関係者なのでしょう?それも与える側の。汚染を止めてくれたことには感謝しますが、あの男を殺すのは僕だ。勝手なことをされる前に死んでもらいます」



とどめにもう一度、三叉槍で身体を貫く。



あの男は、僕がコロス。



僕から大切なカレヲウバッタ…





「…?」




彼?

彼とは、誰のことだ?






『骸』




愛していた。誰よりも。



誰かの笑顔が見たいと初めて思った 



その笑顔が、思い出せない



顔がわからない





「どうし…っ!」




右目に痛みが走る

イタイイタイイタイイタイ―!




「っ…!」



「残念だよ。君なら僕の仲間になってくれると思ったのに」





V.V.が僕の前に立つ




「っ…殺した、はず…それも…ギアスの能力か…」



「ギアスではないかな。でも…これから死ぬ君には関係ないよ。六道骸」



「っ!」


三叉槍でV.V.をなぎ払う


痛みで攻撃がうまくきまらない



「ロロ」









何が起こったか、分からなかった





ただ気づけば、身体はまっすぐに斬られていて。


目の前には、見たこともない少年が赤く染まったナイフを持って立っていた









「僕が、このざまですか…」








ああでも、これでよかったのかもしれない



これで逝ける。彼のもとへ。




『骸しゃん』
『骸様』
『骸様…』
『君の一瞬っていつまで?』
『ひぃっ!』
『あなたが六道骸ー!?』
『10代目に何かしたらタダじゃおかねぇ』
『骸っ!』
『京子ちゃん…』
『京子は俺の妹だ』
『俺は、逃げるわけにはいかない』
『ホームランだな』
『ランボさん登場!』
『休戦地帯…ね』
『六道骸って縁起悪い名前だよな』
『パーティーよん』
『会長ぉ…』
『ゼロ』
『クロームさんに聞きました』
『骸っ!』
『相変わらずだな』
『じょ…女装なんて…』
『うわっ、骸っ!?』
『なんでお前はいつも…』
『骸』
 



顔がみえない。大切だった彼の顔だけが、霧がかかったように思い出せなくて―


「…好きだっ…た…本当に……」





眼が…霞む。
瞼が重い。





…僕の大切な…。




「アイして…います…」







たとえそれが歪んだ方法だったとしても