今日は5月4日

最後に姿を見たのが2日の放課後だったから、もう2日間もツナと会っていない。

おかしい

絶対におかしい

ツナが連絡も無しに2日も学園を休むなんて!!

ツナだけじゃない…普段からサボり癖のある六道や来る方が珍しい雲雀恭弥はともかく、あの笹川までもが休んでいる

まさかボンゴレに何かあったのか?

つい先日、俺の腕の中で大量に血を流していたツナの姿が頭に浮かび、思わず走り出していた








「ツナ!!」

いないとわかっているのにツナの部屋を訪れロックを解除する

しかしそこには思いもよらない光景が広がっていた

「あれ、ルルさん?どうしたんですか?」


ツナはいた。
元気そうだ。
そして何故か自分の部屋をパーティー仕様にしている最中だった

「…何をしているんだ?」

「パーティーの準備です、明日ヒバリさんの誕生日だから。」

いや、それは見ればわかるんだが。
【ハッピーバースディ雲雀さん】という垂れ幕が嫌でも目に入ってくる

「…準備の為に2日も学園を休んだのか?」

「?これは今始めたばかりで、昨日は普通に寝てましたけど…」

「サボったのか!?」

あの真面目なツナが!?

「?サボっ…?」

「バカツナが。ゴールデン・ウィークなんてあるわけねーだろうが」


突然第三者の声がツナの言葉を遮った








STAGE 9.5   雷くる!








黒いスーツ、帽子に乗ったカメレオン

変わった格好をした赤ん坊が目の前に立っていた

「リ、リボーン!?」
「ちゃおっす」

コイツ、いつの間に!?
話し掛けられるまで全く気配に気付けなかった

「お前なんでいんの!?イタリアじゃなかったのかよ!!」

「明日は雲雀の誕生日だからな。ツナがきちんとボンゴリアン誕生パーティーを成功させられるか見に来たんだ」

「余計なお世話ー!!」

どうやらこの赤ん坊はツナの知り合いらしい
ならこれがツナの家庭教師だという呪われた赤ん坊、アルコバレーノか?

「お前ツナの知り合いか?ちょうどいい、お前もぱーちーに参加しろ」

「…は?」

「ちょ!何言ってるんだよリボーン!!」

「俺が決めた時点で既に強制だ。出なきゃ不戦敗で罰ゲームだぞ。」

「滅茶苦茶言ってルルさんを巻き込むな!!それに罰ゲームって…」

「今回の罰ゲームは1週間雲雀のサンドバックだぞ」

「それ死ぬからー!!」












「すみませんルルさん…」

「いや…それは構わないんだが…」

結局押しきられる形でパーティーに参加することになってしまった

「さっきの赤ん坊はツナの知り合いだよな?凄く活舌よく喋っていたが…」

「あー、アイツは特別っていうか…頭がいいからいつもあんな感じなんです」


頭のいい赤ん坊なんてそうそういるわけじゃない
どうやらさっきのが家庭教師で間違い無い様だ


「本当にすみません!!変なことに巻き込んじゃって…出し物どうしよー!!」

「出し物?」

「俺達のパーティーでは全員が出し物をして点数で競うんです。最下位の人は罰ゲームでそれが今回は…」

「雲雀恭弥のサンドバックと言うわけか…」

それは嫌だ
なんとかしなければ命が危険になりかねない
しかし…出し物だと?

「ツナはいつもどんなのをやってるんだ?」

「獄寺くんとナイフ77本投げとか、獄寺くんとナイフ7本刺しとか…」

「ナイフ77本投げにナイフ7本刺し…」

「あ、皆はお手玉とかハーモニカとかやってます」


ツナが…ナイフ…
いや、戦闘状態のツナなら可能だろう
ただイメージが違うと言うか意外と言うか…まあいい


「それは危ないな。今回はもっと別なものにしたらどうだ?」

「そのつもりです。毎年何度死にかけたことか…」

ツナ曰く、いつも出し物が思い付かず当日になって獄寺に誘われるままにそれを行っていたらしい


なら


「俺と組まないか?手品くらいなら出来ると思う」













「どういうことですかこれは!!何故ボンゴレの部屋にこの男がいるんです!?」

旧こどもの日、つまり雲雀の誕生日当日
ブリタニア式祝日制度のため休日じゃ無くなったその日の放課後は、ツナの部屋でパーティーが開かれることとなっていた

ここ2日ツナ達が休んでいた原因はどうやら日本の祝日、ゴールデンウィークというものが今も存在すると思っていたからの様だ

「俺が誘ったんだぞ。ぱーちーは人数多い方が盛り上がるからな」

「盛り上がりません!!むしろ僕はこの男が同じ部屋にいるだけで盛り下がります!!それもボンゴレの部屋にだなんて許せません!許しません!!」

「うぜーぞ骸。」

ツナの家庭教師が六道に銃を向ける

…そんな堂々と出して良いものじゃないと思うが。
流れ弾に当たらないよう、2人からさりげなく距離をとる。

「殺る気ですか?僕はアルコバレーノ相手でも負けませんよ!!」

「ちょ!2人とも止めろって!!ていうかリボーン!ルルさんいるんだから銃は仕舞って!!」

「俺に命令すんな」

「命令じゃなくてお願いに近いんですけど!!」

ツナがそう叫んだ瞬間、何かを叩くような音が部屋中に響き渡った
反射的に音の方向を見ると、そこにあるべき扉が破壊され、廊下にトンファーを構えた雲雀恭弥が立っていた。

「…随分騒がしいと思ったら、何の群れかな?」

かなり機嫌が悪そうな雲雀恭弥にツナが慌てて駆け寄る

「ヒバリさん!誕生日おめでとうございます!!」

「…」

雲雀は顔色一つ変えずにトンファーを振り下ろした

「ツナ!!」

助けたいのに間に合わない

全てがスローモーションのように見えた時、視界の隅で何かが動いた



「…」

「僕のボンゴレに手を出すのは止めてもらえませんか?」

気づいたときには六道が自らの武器でトンファーを受け止めていた

六道だって、俺と同じくらい離れた場所にいたはずなのに。



俺はまた助けられなかった




「大丈夫ですか10代目!おいヒバリ、テメエ10代目に何しやがる!!」

「君たちこそ何群れてるわけ?見ていると虫唾が走るよ」

「テメエの誕生パーティーだろうが!!」

「誕生日?ああ、学校があるから忘れてたよ。それにしても、そんなことの為に集まるなんてよっぽど暇なんだね」

「んだと…!」

「2人とも落ち着いて!ヒバリさん、あっちに席が…」

「僕が群れると思ってるの?」

「いや…思ってませんけど…」

「ならやめてくれる」



雲雀恭弥が再度トンファーを振り下ろしたのだとわかったのは、部屋に金属音が響いた後だった

「僕のボンゴレに手を出すなと言ったのがわからないんですか?」

「うるさいよ、まずは君から…」

戦闘態勢に入りかけたとき、雲雀恭弥の肩に黄色の鳥が止まる

「ヒバリ!ヒバリ!おなかすいた!」
「…」

器用に喋ったその鳥を見つめたかと思うと、雲雀恭弥は踵を返して去っていった

「えー!?」
「おいヒバリっ!せっかく10代目が準備してくださったのに…!!」

獄寺の止める声もむなしく、雲雀恭弥は振り返ることもしない。

「仕方ねーな。俺たちだけで始めるぞ」

「お前最初からそのつもりだったろ!?」

「今回は全員歌で勝負だぞ」

!?何!?

「はぁ!?何だよそれ!?」

「何だ不満か?一般人もいるんだ。そのほうがお前も都合がいいだろうが」

「ああ確かに…って違う!だったらもっと早く知らせないと準備とかあるだろ!!急に言われても…」

「先に知ったら不公平だろーが」

「みんなに知らせれば良いだろ!!」


歌だと…!?よりによって歌などという微妙な難易度のものを…!!
せっかくの手品の仕込みが無駄になったではないか!!

「クフフ…クハハハハ!!歌ですか!!名案ですよアルコバレーノ!!」

「骸、おめーカラオケセット持ってたろ。貸せ。」

「命令口調は気に入りませんがまあ良いでしょう。犬!SOS団から持ってきてください。」

「わかりましたびょん!コングチャンネル!!」

ノリノリの六道が命じると、城嶋が人間とは思えない姿に化けて猛スピードで旧クラブハウスへと向かった。
…今のが城嶋の固有技、アニマルチャンネルか。なんというか…隠す気はないのかこいつ等は…

「あー!もー!!ルルさんの前なんだから少しは自重しろってー!!ルルさん、今のはえっと…」

慌てるツナに、面倒なことにならないよう気づいていない振りをする。

「お、おもしろい手品だな…」
「山本的ー!?」













その後、城嶋が見事に一人でカラオケセットを運んできた。
普通なら大人2人で持ち上げるのがやっとだろうに。
少し感心していると、慣れた手つきで柿本がコードをセットしていた。
体育会系と頭脳派でバランスがとれている様だ。

「クフフ…では僕から行きますよ。クローム!6927番です!!」
「はい、骸様」

何もせず見ていただけの六道が終わったのを見計らいクロームに命令を下す。
クロームが番号を入力すると、聞いたことの無い不思議な音楽が流れ始めた

「変わったイントロだな…」
「なんか嫌な予感がする…」

ツナが背中を震えさせると、六道がマイクを手に取った

「まさか 僕が この手で 君に 触れる なんてね〜♪」

…聞いたこと無い歌だ。というか聞きたくない。変な振り付けまでしてるぞコイツ。

「すげーな、骸の奴自作ソングをカラオケに入れてやがるぞ。」
「はは、おもしれーな!」

「ごらん僕のオッドアイ♪ おびえた顔映すよ♪」

何だこの癇に障る歌は!?
一見すると変な歌詞だが、よく聞くと愛の言葉が聞こえなくも無い。
会えて嬉しいとか愛しいとか。随分とひねくれた字列に混じっているが。

もしかしなくてもツナへの愛を歌っているのだろう。
ふつふつと湧き上がってきた怒りをどうしようか考えていると(いや、俺が怒るのは理不尽なんだが。それはわかっている!!)
2度目のサビが終わったところでツナがゆらりと立ち上がった

「…ツナ?」

ツナは何も言わずに六道の方へゆっくりと歩を進める
それに気づいた六道が嬉しそうにツナを見た。
手を差し出して歌を続ける

「さあ〜 僕と〜 契約〜 しません〜か!?」

…心なしか今までのフレーズより力が篭った歌い方だ。

「記憶〜なくす〜 そ〜の前に〜♪」

歌っているため会話は無いが、六道は「もう、照れてるんですね!」と言いたげな顔でツナを見ている。




苛々する。



どうしてツナは六道の元に行った!?



「おい、ツ…」
「クフフ〜、クフフ〜、クフフのぉぉ!?」


ツナの元へ行こうと立ち上がった瞬間、何かを殴るような音がして歌が止まる



「悪い、手が滑った」
「ボンゴレェェ!?」

いつの間にかツナは両手にグローブを嵌めていて、カラオケセットは半分溶けていた

「馬鹿ツナが。カラオケ壊しちまったら続きができないだろーが」
「もういいだろ、当初の予定通り好きな出し物で…」

さらっと言うツナにSOS団開設時に見た黒さを感じたが、気づかないことにする

ツナと家庭教師の論争の横で六道が項垂れていると、転がるように何かが壊れたドアから進入した

「ガハハー!!ランボさん登場!!」

…牛柄の服を着た子供が騒がしく入ってきたのだ

「ランボ!?何でお前、イタリアじゃ…!」

ツナが目を見開いて子供を見る。
ランボ…?確か雷の守護者の名がそのような…
だが調べによると、雷の守護者は25、6歳だったはずだ。
幼少のころ繰り返し雷撃を受けたことにより完璧な電撃皮膚を有しているという人物…
今目の前にいる男はどう見てもまだ幼少時代に当てはまる年齢だ

「ちねー!リボーン!」

ランボと呼ばれた子供が手榴弾らしきものを投げつける

「うぜえ」
「ぐぴゃ!?」

家庭教師はそれをいとも簡単にはじき返すと、流れる動作で子供を壁に投げつけた

「あーあー、いつも通り…」

ツナが呆れて見ていると、廊下を走る音が聞こえて部屋の前で止まった。

「ごめんツナ兄!ちょっと目を放した隙にランボが…」
「フゥ太!?お前まで!?」

見るとそこにはツナに似た少年が息を切らせて立っていた。


「…ツナの弟か?」

「違いますよ。フゥ太はえっと…家族みたいな感じです。」

「ホントごめんツナ兄!ランボも雷の守護者なんからパーティーに参加したほうが良いと思ってつれてきたんだけど、寮に入る手続きしてるうちにいなくなちゃって…」

「フゥ太!今守護者とかそういうことは…」


ツナが何か言いかけたとき部屋の隅から急に煙が上がった


「何だ!?」
「あー!今のってまさかー!!」


ツナがそれを見て頭を抱える。何だ?この様子からして敵が何かしたということではないようだが…

段々と煙が晴れていくと、そこには牛柄のシャツに黒いジャケットを羽織った男がいた。

…誰だ?


「初めまして。10年後のランボです。」
「…は?10年後?」
「わー!!気にしないでください!!」

ツナが焦って俺と男の間に入る。ランボ…10年後…?


「お会いするのは初めてですねルルーシュさん」

「え?大人ランボ、ルルさんのこと知ってるの?」

「会ったことはありませんがボンゴレの机の上にいつも写真が飾ってあるので顔は知ってます。」




「な!?」
「え!?」
「はぁぁぁぁ!?」




男の問題発言に、その場にいた全員が凍りついた


「どういうことですかボンゴレェェェ!!??どこです!?どこにあるんですかそんなもの!!」

「ちょ、知らないよ!10年後の話だから!落ち着いて骸!!ていうか、えぇ!?」

ツナが、俺の写真を…?それはどういうことだ…?
まさか…いや、そう判断するのは軽率だ…いやでもこれは…

「僕というものがありながらこんな男の写真をぉぉ!!どうしてですかボンゴレェェ!!??」

「何どさくさに紛れて問題発言してんの!?」

「そっか…ツナ兄が…ねえルルーシュ兄、ランキングさせてもらってもいい?」

「ランキング?」

なんなんだランキングとは。子供の遊びか?
俺は今それどころでは…!!

「あーもう我慢できない!!」

フゥ太がそう言った瞬間、ふわっと重力に逆らって体が浮いた。
体だけじゃない、部屋中全ての物に例外は無しだ。

「な!?なんなんだこれは!?」

「ははっ、またこの遊びかー?」

「またとはどういうことだ山本武!!」

「んー?フゥ太の手品じゃねーの?」

「これがか!?」


どうかんがえても手品の粋を超えている。
ポルターガイストと言っても過言では無い。


「ちょ!フゥ太!ストップストップ!!」

ブツブツと何か呟くフゥ太をツナが焦って止める

急に重力が復活すると一瞬の浮遊感と共に床に叩き付けられた



「失態だっ…」

「おやおや受け身も取れないんですか」

何故こんな男をボンゴレはー!!と騒ぐ六道の声を遮ってフゥ太が嬉しそうに叫んだ


「凄いよルルーシュ兄!秘密の多い学生ランキング、凄い野望を持った学生ランキング共に1位だよ!!」


…!?
なんなんだこの子供は…!?


「クハハハハ!ロクなランキングがありませんね!君はボンゴレに相応しくありませんよ!!」

「骸さんは変な髪型のマファアランキングと変態マファアランキング1位だよ」

「はっ、素晴らしいランキングだな六道?」

「この髪型は変じゃありません!!」

変態は否定しないのか

「それに僕は変態じゃありません!!」

先にそっちを否定すべきだと思うが。

それにしてもなんなんだ?
遊びにしてはやけに的を得ている

「フゥ太のランキングは百発百中なんだぞ。」

「どういうことだ!?」

「ランキング星と交信してるって説もあるぞ」


意味が分からないぞアルコバレーノ!!

だがもしそれが本当だとしたらこれ以上この子供と関わるのは危険だ

下手をしたらゼロの正体や皇子だったことがバレて…!?

突然5分前と同様にもくもくと煙が上がる
今度は何だ!?と振り向くと、牛柄のシャツを着た男がいた場所にいつの間にか居なくなっていた牛柄の服を着た子供がいた


…なにがなんだか分からない


子供はツナの家庭教師を見たかと思うと「死にさらせリボーン!!」と再び手榴弾を投げつけた

家庭教師が警棒でそれを弾き返す

ドアの向こうへ飛んで行くはずだった手榴弾の前に、突然金髪の男が現れた

「ようツナ!恭弥の誕生パーティーやるなら俺もまぜ…」

「ディーノさん!?逃げてくださいー!!」

ディーノと呼ばれた男に手榴弾が迫る

「なんだ早速か?大丈夫俺に任せろっ…てぇ!?」


男は鞭を取り出すとそれで手榴弾を掴み外に投げ捨てようとした…ように思えた

実際は自分で自分の足を引っ掻け前のめりに倒れ、手榴弾を巻き込んだまま部屋に突入した


「いてて…すまん、ツナ」
「ディーノさん、部下いなかったんですね…」

物凄い音と爆風と共に、キャバッローネ10代目はやってきた








「…で?どういうことかしら?これは」

その後爆発音を聞き付けた生徒や教師が駆けつけてきて、俺達はコッテリとしぼられた

それを見かねた会長が助け船を出してくれたのだが…結局尋問相手が変わっただけだ


「ルルーシュがついていながらまさかねえ…」

会長が呆れたように俺を見ると、ツナは焦ったように前に出た

「すみません!俺が部屋でパーティーをやろうって言って…それではしゃぎ過ぎちゃって、ルルさんは悪くないんです!!」

「私はそんなことを言ってるんじゃないの」

会長はツナを睨みながら言う

「待って下さい会長。止められなかった俺にも非が…」

「どうして私も誘ってくれなかったのよ!!」

「…え?」
「はい?」


思わぬ会長の言葉に一瞬思考が停止した


「ルルーシュは私がこういうの好きなの知ってるでしょ!こんなめちゃくちゃになるほど楽しいパーティーになんで混ぜてくれなかったのよ!!」

「いえ、あの、会長?」

「この裏切り者がー!!自分だけ楽しみおってー!!」

「ちょ、会長!キャラ変わってますよ!!」

「言ってくれればクラブハウス貸し切って料理も頑張ってすっごいパーティーにして見せたのに!!」
「なら来月の骸の誕生日は頼んでいいか?」

会長の暴走を止められず呆然としていると、ツナの家庭教師がこれまた思ってもみないことを言い出す

「リボーン!?」

「待ちなさいアルコバレーノ!!」

ツナと六道が慌てて止めに入るが、会長と家庭教師は聞く耳持たずだ


「6月9日は骸の誕生日でな。ちょうどぱーちーをする予定だったんだ」

「それ本当!?よしっ!腕によりをかけて作るわよー!!」

「待って下さい!!その日僕はボンゴレと2人っきりで過ごすんです!パーティーなんかやりません!!」

「おい、俺そんな話聞いてないんだけど。」

「何言ってるんですか、約束したでしょう夢の中で!!」

「寝言は寝て言え。」

「ミレイ、人数多いんだが大丈夫か?生徒以外も来るかもしんねーぞ」

「任せなさい!おじいちゃんに話通しとくわ。どうせなら生徒会メンバー全員で六道君の誕生日を祝うわよー!!」

「止めてください会長さん!ルルーシュ・ランペルージに祝われるなんて死んでも御免です!!」

「俺だってお前の誕生日なんか祝うつもりは…」

「主役が何言ってるの!ルルーシュは会長命令で強制参加よ!!」

「来月のボンゴリアン誕生パーティーは盛り上がりそうだな」

「やっぱボンゴリアンなのー!?」

この2人を止められるものなどもはや存在しなかった。

あれよという間に生徒会とボンゴレファミリー合同の六道誕生パーティーは決定したのだった。











「さてと、来月のことは決まったとして、問題は沢田君の部屋よね。空室が無いから誰かの部屋に行ってもらうしかないんだけど…」

打ち合わせが一段楽したところで(といっても会長とツナの家庭教師が独裁的に決めただけだ)会長が今1番の問題を切り出した

先程の爆発でツナの部屋は人が住める状態ではなくなってしまったのだ

業者がすぐに来てくれるそうだが、少なくとも修繕に1週間はかかるらしい



「クラブハウスに来れば良い。ちょうど俺の隣の部屋が空いてるんだ。すぐに咲世子さんに頼んで掃除を…」
「もちろん僕の部屋ですよね!雲雀恭弥は追い出しますから安心してください!!」
「元はといえば俺のせいなんだ。ホテル代くらい負担するぜ?」



俺がクラブハウスへ誘うのと同時に六道とキャバッローネ10代目もツナを招く

キャバッローネの言い分はわからなくも無いが、六道のは酷いものだ

「えっと…俺がいるせいでナナリーに気を使わせたら悪いし、ヒバリさんを追い出すのは論外だし、ホテルは勿体無い気が…」

「10代目!野球馬鹿は廊下に寝せるんで俺の部屋にどうぞ!!」

「いやいや獄寺君、それじゃ骸と変わらないから。」

「でもどこかに行かないとダメだしねえ…」



その時、タイミングよく生徒会室の扉が開いた


「やべっ、今日俺がアーサーの食事当番じゃん!!ごめんアーサーお腹へっ…て会長?ルルーシュも!てか皆さん珍しい顔ぶれで一体何を…?」

場違いなことを良いながら入って来たのはリヴァルだった
会長はリヴァルを見ると目を輝かせて駆け寄る

「ちょうど良いところに来たわ!!」

「え!?俺なにかしましたか?」


!まさか!!


嫌な考えが頭をよぎった

「リヴァルはルームメイトいなかったわよね?」

「はい、前にスザク誘ってみたんだけど断られちゃって…」

「暫く沢田君を泊めてくれないかしら?」

「「待って下さい!!」」

やっぱりそうだ。
リヴァルはルームメイトがいない。その為2人部屋を1人で使っていた。
ならそこにツナが居候すれば丸く収まる…それはわかるが、ならクラブハウスでも良いはずだ!!
ナナリーもツナに会いたがってるし遠慮する必要などどこにも無い。
焦って叫ぶも、それは結局後の祭りだった


「え?いいですよ。何?部屋どうかしたわけ?」

「ちょっと爆発しちゃって…」

「はあ!?どうやったらそうなるんだよ!?けど災難だったなー、荷物とかは?駄目になったもの買いに行くなら言えよ。バイク出すぜ。」

「本当ですか!?すみません、助かります。」


「ツナ!」
「ボンゴレ!!」


「…え?何?俺なんかした?」

「春ねー。」
























異空間を渡る感覚
引っ張られる体
段々と開ける視界

いつも通りの展開に、ランボは戻ってきたのだと気づく


「ランボ?」

よく知る声に振り向くと、先程より随分と大人びた姿のツナが立っていた

「ボンゴレ…」

ツナはにこっと微笑む

「びっくりしたよ。急に子供の君が廊下を走ってたから。」

「迷惑をおかけしました」

「いいよ。それより過去はどうだった?」

そう問われたランボは無意識に写真を見てしまう

ツナの肩が少し揺れた

「ヒバリ氏の誕生パーティーの最中でしたよ」

「…そっか。今年はみんな任務が入って出来なかったからね」

そう答えるツナの姿は悲しそうで、ランボはつい目をそらす

だけどこれだけは伝えなければとゆっくりと口を開いた




「日本にいました」




はっきりとそう告げると、先程とは比べ物にならない程大きくツナの肩が揺れる


「ファミリーの他に学生服を着た男の人がいて、皆とても楽しそうでした」

「……」

「俺はあんなに楽しそうな貴方を見たのは初めてです」

「…そう」


ツナの声は震えていた

だけど決して涙は流さずに、悲しい瞳で2枚の写真を見つめる


1枚は幼い少女と、そしてもう1枚は学生服を着た青年とツナが、幸せそうに微笑んでいた











皇暦2017年 ブラックリベリオンという戦いで、ゼロと呼ばれた男は枢木スザクに敗れその命を奪われた

この世界には、ゼロも、ルルーシュももう存在しない





それは数多くある未来の1つの可能性。